アジア神秘紀行

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ストーリー

蒋介石の愛した湖~台湾・日月潭~




台湾を代表する湖、日月潭は周囲約37kmの台湾で最大の淡水湖です。海抜約750mに位置し、幾重にも重なる山々と織り成す景観はまるで水墨画の世界。明け方は一面、霧に覆われ幻想的な雰囲気になります。そして黄昏時には神々しく金色に輝き、夜の帳が下りると灯火が湖面に揺れ、神秘的な世界へと一変します。様々な表情を見せる日月潭の美しさは世界的にも有名で、国内外から多くの観光客が訪れています。

この湖をこよなく愛した人物に中華民国総統、蒋介石がいます。彼は湖の景観を一目見て気に入り、台湾に活動拠点を移してから亡くなるまでの26年間に、100回以上もこの地を訪れました。そしてまた彼は、日月潭の湖畔に自分専用の施設を数多く作りました。日月潭のシンボル的存在になっている慈恩塔は、彼が母への敬意を表すために建てたものです。またクリスチャンであった蒋介石の妻、宋美齢のためには夫妻専用の教会も作りました。そして湖を一望できる高台にある別荘、涵碧樓は迎賓館としても利用され、数多くの海外の要人たちをもてなし、政治交渉の場としても活用してきました。
日月潭の湖畔には、蒋介石にゆかりの深い民族が今も暮らしています。それは300年以上も前から日月潭周辺に暮らす少数民族、サオ族。わずか600名足らずの、台湾の先住民族では最も人数の少ない部族です。サオ族が守る伝統舞踊を好んだ蒋介石は、彼らと積極的に交流し経済的援助も惜しみなく行っていたといいます。

かつて蒋介石が時を過ごしたゆかりの地を巡りながら、台湾有数の名勝、日月潭の魅力を伝えます。