市長はムコ殿

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ストーリー

第9話  「運命の再会」

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突如として乙女が嫡男を欲しがるようになり、大将に精力ドリンクを勧めるようになる。そして、大将が結婚式の酒の席で子供は3人までもうけると約束したのに、まだその約束が果たされていないと迫る。乙女の心境に何の変化があったのか、大将らは知る由もなかった。
ある日、大将が帰宅すると、そこには顔に見覚えのある来客があった。
「まさか、四ツ葉代議士ですか!?」
そこにいたのは、政府与党の大物政治家・四ツ葉浩介であった。先日政界引退を表明したことで、世間で話題になっている人物である。
「秋吉さん。来年の衆議院選挙、我が党から出馬していただけませんか。この国にはあなたのような若い血が必要なのです」 四ツ葉は政界引退を前に、有望な人材をスカウトするために来たのだった。驚きを隠せない一同であったが、市長になったばかりで任期がまだ3年も残っている大将は、あまり乗り気ではない。それにまだ市長として何も成し遂げていない。そこに、四ツ葉は交換条件を提示してくる。
「ゴミ処理施設案、我が党をあげて撤回させます!」
大物政治家にしか言えない、強烈な条件であった。条件を飲めば、前市長の代からの念願がかなうことになるのだ。大将の心は大きく揺らいだ。
「その人が言うことを信用してはなりません。その男はうそつきです」
口を挟んだのは乙女であった。大物政治家に対する大胆な言いように、一同は肝を冷やす。
「うそつきなのはあなたの方だ、乙女さん。私はあの日、あなたを待っていたんだ」
「待ち合わせ場所に来なかったのは、あなたですよ!」
どうやら2人は恋人同士だったようだ。
四ツ葉と乙女が交際していたのは中学時代のこと。燃えるような恋に落ち、2人は駆け落ちまで考えた。しかし、それは未遂に終わっている。
四ツ葉に対して、大将は自らの意思を示してみせた。日本の議員たちに対する思いを述べた上で、議員報酬削減を交換条件に提示したのだ。四ツ葉に受け入れられる条件ではなかったが、現実離れした理想論を大真面目にぶつけてくる大将の熱意は、四ツ葉を動かし…。