よみがえれ!東北

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放送内容

2011年12月28日(水)放送】
よみがえれ!東北 ~もう一度、この地で~

被災県の中で比較的被害が小さかった青森県では、一足早く復興に向けた動きが始まっている。
大震災で壊滅的な被害に遭い、その後も様々な苦難に見舞われながら歩き出した人たちがいる。それを支えるのが「生まれ育った土地でもう一度生活を」という強い思いだ。

青森県内で特に被害が大きかった八戸市市川町。中村さん夫妻は自宅2階に駆け上がって津波を逃がれたものの、家は大破した。その後も、体調不良、盗難と苦難が続く。横浜市に住む次女夫妻は中村さんを呼び寄せるため、引っ越しを考え、パートを掛け持ちする。中村さんの周囲の家は次々と取り壊され、高台に移り住もうとする住民も出始めた。再建か移転か揺れ動き、一時は娘の勧めに従うことを考えた中村さんだが、もう一度この地で暮らすことを決意。40年連れ添った夫婦の絆を糧に、自宅の再建を目指す。

青森県は豚の飼養頭数全国8位、畜産が盛んな地域だ。岩崎徹男さんは脱サラし、おいらせ町で養豚場を営む。海岸線から500m離れていたものの、津波は養豚場を飲み込み、1500頭の豚が死に、25年かけて築いた財産の大半を一瞬で失った。残った豚も殺処分した。これからどうしていいのかさえ考えられずにいるとき、駆けつけてくれたのが、近隣の人たち。50人近い人ががれきの処理を手伝い、励ましてくれた。被害が養豚場だったため義捐金の配布は対象外。今後の行政の支援も期待できない。再建をあきらめかけた岩崎さんだが、周囲の支えで心境が変化した。跡を継ぐために戻ってきた息子も「もう一度」と賛意を示し、資金を貯めようとアルバイトを始めた。岩崎さんはふるさとのおいらせ町内に新たな用地を見つけ、岩徹養豚場再興を目指して歩き出した。

古くから続く朝市が多い青森県八戸市。その中でも最大7万人を集める館鼻朝市は冬季の休業から3月13日に再開予定だった。しかし、2日前の3月11日―。館鼻岸壁は大津波に飲み込まれた。6隻の漁船が横たわり、岸壁そのものにもひびが入るなど、朝市の再開は不可能となった。何よりも、沿岸部の被害を考えると、出店者の心もすぐに再開とはいかなかった。
しかし、復興に向け進む八戸市で、朝市も再開しようという声があがる。再開後に津波があれば対応できるのか、何より、再び人が来てくれるのか?避難訓練などを行い、岸壁の整備も進む中、出店者の心は?そして7月3日、ついに再開。『ピークに近い人出』という大成功の中、出店者によぎる思いとは?

※番組内で紹介した 八戸市種差海岸の 「洋望荘」は、8月より 宿泊の予約を再開しました。